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気密測定
2021年8月26日
『高気密高断熱住宅』を語るうえで欠かせないのが、『気密測定』です。
気密を測定することのメリットは
- 計画的な24時間換気が出来る。
- 卓上の計算ではないため、実際の性能がわかる。
- 測定時に建物内部を負圧にすることで、空気の漏れる箇所を修正できる。
- この建物に携わる職人が、気密性能を良くするため、より緊張感をもって作業をする。
今回、滋賀県近江八幡市加茂町のS様邸での測定結果は
C値 0.2㎠/㎡
カナダの省エネ住宅の基準であるR-2000住宅では0.9、スウェーデン基準では、0.6~0.7ですから、0.2という数値は、かなり良いと思います。
ところで、日本では、気密性能に関する基準はありません。
一時、2.0以下という基準がありましたが、今の省エネルギー基準には、その数値はまったく出てきません。
なぜ、基準が無くなったのか?
たぶん、大手ハウスメーカーさんが、対応出来ないため、国の基準から外したんだと思います。
たぶんです。
耐震等級3について
2021年5月13日
『2016年4月14日、熊本県熊本地方においてマグニチュード6.5の地震が発生し、熊本県益城町で震度7を観測しました。
また、16日には、マグニチュード7.3の地震が発生し、益城町と西原村で震度7を。熊本県を中心に、その他九州地方の各県でも強い揺れを観測しました。熊本地震は、前代未聞の震度7が連続して起こるという未曾有の大地震となりました』
建築基準法で定められている、『耐震等級1』の建物は、1度目の地震で、倒壊はしませんでしたが、2度目の地震で、倒壊した建物が多くありました。
2度目の地震でも、倒壊せず、しかも、住み続けられる家がありました。
それが『耐震等級3』の家です。
米原市中多良にて建築しましたT様邸は、耐震等級3の建物です。
『耐震等級3』の建物は、壁が多く必要になり、また、そのバランスの良さも重要です。大きな開口や吹き抜けは、ある程度制限されます。
しかし、当社の考える『耐震等級3』の一番重要なことは、
『耐震等級3の構造を、50年以上継続すること!』です。
そのためには、内部結露を発生させないことが重要です。
内部結露が発生すると、構造材は腐ります。必要な耐力を維持できません。
実は、内部結露を発生させない工法は、柱や梁を断熱材で覆う
『外貼り断熱工法』しかありません。
柱と柱の間に断熱材を入れる『内断熱』の家でも、内部結露を防ぐやり方はありますが、隙間なく断熱材を入れることや、隙間なく気密シートで囲うことは、絶対に無理です。
50年先も『耐震等級3』をお考えの方は、外貼り断熱工法にしてください。
住宅ローン減税の延長
2021年3月30日
『政府は令和3年度の税制改正大綱に、住宅ローン残高の1%を所得税から差し引く「住宅ローン減税」について、現行の控除期間13年の措置について、契約期限と入居期限をともに、1年延長した。』
13年間の住宅ローン減税が、令和3年9月の契約分まで適用されるということです。その後は10年間に戻るのか、それとも減税事態が無くなるのかです。これから、借り入れをして家を建てる方には、ニュースだと思います。
例えば、2500万円を借り入れすると、収めた所得税から、25万円返ってくるのです。元金は減っていくのですが、返ってくる期間が、3年延びるのは、結構大きいと思います。さらに、25万円税金を払っておられない人は、すまい給付金制度を利用することが出来ます。
また、今の銀行金利は、変動で1%未満です。2500万の1年間の金利は、0.7%くらいとしますと、175000円です。差額の75000円は・・・(^^)
13年間、元金は極力減らさないようにするため、借入期間は、長くすることもひとつの手段でしょうか。
差額を貯金して15年目くらいに、水廻りや、外壁のリフォームを考えていただけたらと思います。
床下エアコン
2021年2月10日
当社では、『外貼り断熱工法』高気密高断熱の良さを生かした、床下エアコンをお勧めしています。
先月の末にお引き渡しをしました、米原市T様邸では、早速当社が推奨しています『床下エアコン』がその威力を発揮しています。
脱衣場の床下に設置した1台のエアコンで、家じゅうがほとんど同じ温度で暖かくなるのです。
床下エアコンの良い所は
①床下で暖められた基礎のコンクリートや床板からの輻射熱でじっくりと暖かくなりますから、不快な温風があたることはありません。もちろん、一般的な床暖房で暖められない浴室も、裸で床に寝そべれるくらい気持ちがいいです。
②エアコンは、すぐ手の届くところにありますから、脚立に登らなくても、フィルター掃除が簡単にできます。
③一般的な床暖房に比べて、電気代が安いです。
④設置費用が安いです。
⑤壊れた時、簡単に交換できます。床板の下に電気のパネルや温水を通すやり方の床暖房は、壊れた時のメンテナンスが大変です。
もちろん、デメリットもあります。
①普通、部屋の壁に取り付けるエアコンですから、床下に取り付けた場合、メーカーは、保証しません。
②冷房での使用は床下で結露が発生しますので、夏場は使えません。
③設置するエアコンは、温度センサーの位置が重要なので、機種が限定されます。
④リフォームでは、設置が難しいです。
これから、新しいお住まいをお考えの方は、是非ご検討いただきたいと思います。
換気システムについて
2021年2月1日
住宅の24時間換気が、義務化され17年が経過しました。『高気密高断熱住宅』には、必ず必要な換気システムですが、当社が平成8年から取り組んでいる『外貼り断熱工法』でも、様々な種類の換気システムを採用してきました。
当初、平成8年から、排気を機械換気で行う「第三種換気」を採用しました。1階の洗面所の天井裏にセントラル換気ファンを設置し、そこから各部屋に50㎜のダクトを配管し、排気します。また、空気の取り入れ口を、これも各部屋の外に面する壁に設置して、機械換気で排出した分の空気を、そこから取り込みます。消費電力は、1か月で18KWです。2~3か月以内に、給気口や、排気口の掃除が必要です。
平成20年から、排気と給気を機械換気で行う「第一種換気」を採用しました。熱交換換気ユニットにて、冬場、外の冷たい空気と、部屋の温まった空気をユニットの中で混ぜて、温めた空気を極力逃がさないシステムです。消費電力は、1か月52KWです。2年以内に、換気システムの中のフィルターの交換が必要です。
ある家では、ドイツ製の熱交換の効率がとても優れた換気システムを取り付けましたが、5年くらいで故障して、日本製の換気システムに取替えました。
床下から排気する、これも外国製の換気システムの採用を考えましたが、ダクト内部の汚れを掃除できないことがわかり、採用していません。
実は、換気システムについて、25年以上試行錯誤しています。最終的にどのシステムが良いかは、住まいされる方のご判断です。
断熱や気密は、交換できません。換気システムは、将来、簡単に交換できるように考えておくことが必要かと思います。
説明義務制度について
2021年1月5日
『2021年4月1日より、建築士は、300㎡未満の住宅を設計する際に、建築主に対して省エネ基準への適合性等について、書面を交付して説明することが、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」で義務付けられます。
また、建築主は、建てようとする住宅について、省エネ基準に適合するよう努力義務が同じ法律で課せられます。』
説明義務制度とは、住宅からの二酸化炭素の排出を抑えるための手法として、今年の4月1日より設計士に委託した住宅について、「これから設計する家は省エネ基準に適合していますよ」或いは、「この設計した家に省エネ基準を適合するには、○○を追加すれば基準に適合します。将来、実施してください。」という説明を、書面で行う義務があるということです。
当社では、すでに新築の住宅には『低炭素住宅認定申請』を行い、家の性能説明を行っています。さらに『気密測定』を自社で行い、その性能をより高める作業をやっています。
また、隠れて見えなくなる断熱材の施工状況写真を撮影し、現場を確認できないお施主様に完成後、お渡ししています。
私は、この『説明義務制度』については、大変良いことだと思います。ただ、実際にその通り施工しているかどうかの現場審査はありません。あくまでも施工業者まかせの法律です。
説明を受けた義務として、お施主様には、その通りに断熱材が入っているかどうかの確認をしていただきたいと思います。
国土交通省が出している説明義務マンガです!
米原市中多良T様邸
2020年12月16日
米原市中多良T様邸の外壁には、ガルバリウム鋼板が使われています。
近年、よく使用する外壁材で、アルミと鉄の合金です。
特徴は
1.錆びにくく、耐久性がある。
2.塗装がしやすい(メンテナンスがしやすい)
3.さまざまな形状があり、デザイン性がある。
4.安価に施工できる方法がある。
5.通気がしやすい。
6.軽量なので、タイルの外壁にくらべ、耐震性がある。
7.ジョイントや、サッシの取り合いにコーキングを使用しないので、メンテナンス時の費用が安くなる。
8.解体時、処分費がかからない。(めくる手間は必要です)
9.断熱性はまったく「無い」ので、「外貼り断熱の家」にしか使わないほうが良い。
9番は、当社だけの、メリットです(^^)
もちろん、デメリットもあります。
ガルバリウム鋼板を、屋根に使うことです。
しっかりとした断熱を施さないと、結露をし、屋根の下地のコンパネが、腐ってしまうのです。
実際、台風でめくれてしまった金属屋根は、下地が腐っていて、釘が効いていない状況でした。
金属屋根や、熱の伝わりやすいスレート瓦を使用する場合、冬場、室内の暖かい空気が、屋根裏にこもらない工夫が必要です。
今日は、屋根に雪が積もっています。一度、屋根裏をのぞいてみて、屋根の下地が濡れていないか、チェックしてみてください。
建築士指定講習②
2020年12月7日
建築士の指定講習の「木造住宅の省エネルギー」についての項目に「気密性能の重要性」についての文面があります。
『省エネルギー性への期待が高まっているが、その効果を享受するためには、C値0.5㎠/㎡の気密性能が必要』とあります。
1999年の国の基準では、C値は、地域別で2~5㎠/㎡と定められていました。
当時の基準の1/10の厳しい数値です。
ところが、平成21年度の「省エネ法」の改正では、この気密性能の規定が除外されたのです。
建築士の講習で、毎回重要性を強調されているのに、国の法律からなぜ除外されているのか???
除外されている理由を考えます。
1.気密性能を測定する公的機関が無い
2.気密測定を実施するタイミングが決められていない
3.気密性能を確保するためには、施工する大工をはじめとする職人が、気密を確保する手法を熟知していなければならない
4.日射取得率をよくするために、開口部を大きくすると、サッシの性能上絶対に隙間ができるため、「省エネ基準」に矛盾する
5.工場生産で、現場で箱を組立てる方式の工法では、わずかな寸法の違いで隙間が必ず発生する。その為、気密測定ができない
まだまだ、たくさんの理由が考えられるのですが、一番は「ハウスメーカーは気密性能を確保することができないから」というのが、除外されている理由かと思います。
ちなみに、当社では自社で気密性能測定をやっています。
今、建築中の米原市中多良の現場では、隙間相当面積0.1㎠/㎡でした。
断熱性能は、良い断熱材をたくさん使えば、いくらでも良くなります。
気密性能は、家を建てる工務店が、「気密性能」にこだわらなければ、決して良くなりません!
ハウスメーカーに絶対にできない事に、当社はこだわって行きます!
建築士指定講習①
2020年12月1日
設計事務所を営む、一級建築士は、3年毎に定期講習を受ける義務があります。
その講義の中には、最新の国の方針も示されます。
講義を受けた住宅の最新事項について、私なりに紹介したいと思います。
今回は住宅の『脱炭素化』についてです。
2015年12月に「パリ協定」が採択されました。
日本では、2030年温室効果ガス排出量を、2013年と比較して、26.0%削減する目標を掲げています。
この目標は、住宅だけでなく、自動車業界等、社会全体の目標です。
住宅及び建築分野では、2013年と比較して、なんと約4割を削減することを求めています。
その目標を達成するために、2019年5月に「建築物省エネ法」が改正されました。
さらに「建築物省エネ法」では、住宅とそれ以外のビルに分けて、それぞれの脱炭素化を段階的に義務化しようとしています。
私は、この国の基準を最低の基準と考え、特に『断熱、気密』に特化した家を提案しています。
私たちが提供する『高気密高断熱住宅』を広めることが、これからの子供たちの未来を守ることに必ず繋がると信じています。
次回も、住宅の「建築士指定講習」についてお話したいと思います。
モデルハウスの冷房代
2018年8月17日
7月13日から、8月13日の一ヶ月間、モデルハウス『OASIS』の冷房にかかる電気代を測定しました。
測定中は、24時間、連続運転です。
使用するエアコンは、三菱電機 MSZ-GV3617。
12帖用で、あまり機能の多くない一般的なエアコンです。
床面積40坪のモデルハウスの2階の洋室に設置された1台のエアコンは、設定温度を26℃にしています。
一日経過した、1階キッチン上の温度計は、その設定温度通りの26℃。
この日は、外気温が、34℃でした。
7月13日午後2時15分の電気メーターの指標は1497.2KW。
8月13日午後2時17分の電気メーターの指標は1726.6KW。
ほとんど、毎日猛暑日を記録する、この1ヶ月の電気使用量は、229.4KW。
電気代に換算して、5,046円でした。
この電気使用量の中には、24時間計画換気システムの電気代が、1カ月分、308円含まれています。給湯器や、IHクッキングヒーターは使用していません。お客様来場時に点けたLEDの照明の電気代は含まれていますが、わずかと思われますので、実質1ヶ月4,700円の電気代で、この猛暑を過ごしました。
来年の夏は、今年と同じような猛暑になるかどうかわかりませんが、地球温暖化の状況を考えると、毎年、今年のような猛暑がくると覚悟しておくべきかと思います。
是非、断熱、遮熱にこだわった『命を守る快適な家』を考えてください。